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自分カイシャづくり体験「きくとは何か」6/18

5回目の授業レポートです。

こちらの動画から授業の様子を見ていただければと思います!




参加者はスタッフを入れて26名。小学生10名、中学生6名、高校生3名、大学生以上7名と異年齢が集まるなかで、意見を共有し合いながら進めていきました。


まずアイスブレイクとして、「聞くと聴くの違い」について、思うことをチャットに書きこんでもらいました。漢字で書く際にどっちを使おうか迷われる方、多いのではないでしょうか?



「曲か言葉か」

「聞くは話、聴くは視聴だから音とか」

「聞くは耳だけで聞く。聴くは耳だけじゃなくてか耳と心で聴く」

といった意見が出ました。

ニュアンスはつかんでいる様子でしたが、それを表現する方法がそれぞれで、面白かったです。



言葉の使い方においては、このような違いがあると思われます。英語にするとわかりやすいでしょうか。

聴くという漢字には「耳と目と心が入っている」と捉えるとさらに納得感が得られるかもしれません。


これを踏まえて、この「聞くと聴くの違い」について実際に体感してみよう!ということで、実験的なワークをしてみました。



話し手(1人)は同じ話を2回します。それに対して聞き手(25人)は異なる態度で話を聞きます。


1回目

聞き手たちは下を向き動物の名前を書きながら「聞く」という意識。ながら聞きでふるまいました。

話し手はオチのある面白い話をしたのですが、話し終わった後「シーン」となりました。その後、話の内容に関するクイズが出されましたが、参加者たちは困惑した様子。数人が答えましたが、正解は1人だけでした。


2回目

次は「聴く」という意識で。カメラを見て、相槌を打ちながら笑顔で聴いていきました。

話し手が再び同じ話をはじめると、冒頭でクイズの答えが分かりやすく説明されていました。みんなすぐに気付いた様子で「なんや簡単やん!」と笑顔。話のオチも面白く盛り上がりました。


感想を訊いてみると、

「1回目全く分からんかったけど2回目ようわかった」

「興味を持つかどうかが違いなのかと思った」

「重要さが違うんかな」

「2回目は細かいところまで聴けた」

といった声があがりました。


話し手にも訊くと、

「1回目は心に来るものがありました。滑ったときみたいな、リアクションがなくしんどかった(笑)」

「2回目は大きくリアクションしていて心地よかったし、表情からも『聞いているな』と伝わりました。」

といった感想を言ってくれました。大役お疲れさまでした(笑)


・・


このように、聞くと聴くはどちらも「耳から情報を入れる」ことを意味しますが、気持ちや意識という点に違いがあると思います。「聞くは受動的」「聴くは能動的」といわれたりします。先ほどのように聞き手がリアクションをすることで、話し手の気持ちも盛り上がります。



また、2回目のようにクイズされることが事前に分かっていると、聞き手は注意を向けて聴く態勢になるので、話の内容も入ってきやすいと思います。

例えると、今日(16日)は出席番号16番の人が当たりやすいので、16番の人はいつも以上に授業をしっかり聴くという感じです。答えられないと恥ずかしいし怒られるかもしれないので「ちゃんと聴かなあかん!」となりますよね。



一方話し手について考えると、自分の話を聴いてもらえない、あるいはリアクションをしてもらえないと寂しさを感じると思います。それが続くと孤独感が強まり、心だけでなく体にも悪影響を及ぼします。実際、孤独は1日14本の喫煙よりも健康に悪いというデータもあるそうです。



だからこそ、話を聴いてもらう人がいるかを考えることは大切だと思います。

ただし、単純に「聴いてください!」と言うだけでは、聴く側の気持ちは乗ってこないでしょう。その場合、どうすればいいのでしょうか?



この問いは難しいと思いますので少し言い方を変えて考えてみます。

聞き手として「この人の話を聴きたい!」と思えるのはどんな人でしょうか?また、どんな状況なら話を聴きたくなるでしょうか?



ワーク②「聴きたい!と思えるのはどんな人?どんな状況?」


1分間1人で考えてから、5人のグループで共有していきました。



人に関しても状況に関しても、多様な意見が共有されました。

「静かな環境であれば話が聴ける」という一方で、

「一緒に聴く友達がいると聴こうという気持ちになれる」

「友達が真面目に聴いていたらそれに釣られて聴けると思う」

という意見がありました。

また、「環境や状況は特に気にしないが、自分にちゃんと向き合って話してくれる人」という意見と、

「相手は気にしないが、落ち着ける音楽が流れている状況が聴きやすい」という意見の対比がおもしろかったです!


・・


先日スクールの授業前の取り組み「だれでもYononaka」にて、Q:聞いてて心地が良い音や、嬉しくなる言葉や内容は何ですか?、という問いを出しました。



この回答で多かった「ありがとう」「がんばったね」「すごい!」

そういった言葉をよく使う人の話って、「聴いてみたい!」となりませんか?気持ちがいい言葉を使う人は、話をしても聴いてもらいやすいんじゃないかと思いました。



また、友達との会話や発表会などでは、

「何を話そうか・・」

「どうやって話そう・・」

というように、話すことに注意を向けがちですよね。

この場合でも、

「そもそも聞いてもらうにはどうするか」

「聴きたい発表ってなんだろう」

という視点で考えるのも必要じゃないかと思います。

コミュニケーションは話し手と聞き手の気持ちがあってこそなので、話し手も聞き手も「相手の立場になって考える」という部分が大切だと思いました。



・・


ここで休憩を挟みました。


・・


後半のワークでは冒頭で「聞く/聴くの他に漢字がある?」と問いかけを行いました。



「菊」

「効く」

「利く」

などの漢字も挙がりましたが、質問するという意味の「訊く」について、後半は考えていきました。

早速、シミュレーションをしながら次のワークを考えていきました。



ワーク③「帰り道に友達の友達と遭遇したら、何を訊いてみる?」



誰しもが経験したことがあると思います。

「気まずい感じになったら嫌だなぁ」という気持ち、でもその場面は突然出くわします。

ならば事前に考えておこうと。そういった意味合いもこのワークにはありました(笑)

ポイントは何を話す?ではなく「何を訊く?」です。会話を深めるにはどんな訊き方があるのでしょうか?



多様な意味が出ました。その相手に訊くという人、共通点であろうモノをテーマに訊く人、無理せず話しかけられるのを待つ人など、さまざまでした。「嫌いなモノをあえて訊く」という意見が印象に残りました。地雷を踏む前に訊いておくとのことで、なるほどと思いました。


・・


友達の友達ってあいつのことかぁって感じでシミュレーションして考えてもらったかと思います。そのうえで自分との共通点を探すために、様々な意見を言ってもらいました。


訊く方法をひとつ紹介すると、オープンクエスチョン(Yes/Noでない質問)が話を広げやすいといわれています。

「このアニメについてどう思う?」

「⚪︎⚪︎くんのクラス、どんな感じ?」

というように、はいorいいえ、好きor嫌い、で回答するのではなく、聞き手側が自由に答えられる問いのことです。



また、訊くためには、相手のことを疑問に思う気持ちが必要になってきます。それを広げると、問いを立てる、仮説を立てる、という言葉につながってきます。これは学ぶときの姿勢としても大事なポイントです。

事前に相手のこういう部分気になるなぁ、と考えておくと自然と質問が出てくると思いますし、その答えに興味をもって「聴く」ことができますよね。

そうすると、自分に情報が集まってきやすくなります。

そしたら自分が困ったとき、悩んでるときの解決にもつながってきますし、特にチームで何か協働する際には大切な行動だと思います。




ワーク④「今日のYononakaで一番おもしろかったなあと思うことは何ですか?」


最後は少し違った視点のお題でした。いつも授業後に振り返りシートを書いてもらっていますが、そのときに訊いている「一番印象に残ったこと」を、授業内で共有していきました。



やはり、同じ時間を過ごして、同じ話を聞いていたとしても、1人1人どういうことをおもしろいと思うか、またその表現については違いがみられました。


・・


ちゃんとみんな意見を言ってもらえたので「聴いてもらてよかったなぁ」という気持ちになりました(笑)今日の時間を通して、いろんな「きく」があるんやなぁと思ってくれたらOKだと思います。



また、どうしたら自分の話を聴いてもらえるかという問いに対して、「きいてください!」ではなく「どう思う?」と訊いてみることもひとつのアイデアですね。そうすると自然と会話が生まれるんじゃないかと思いました。



最後に、「きく」が上手い人はほとんどいない、ということを知ってもらいたいです。なぜなら「きく」を教わる機会がないから。何気なくやっていることですが、学校の授業でも学ぶ機会はほとんどありません。



ではどこで学ぶか?それは会話です。コミュニケーションです。テレビやYouTubeでは学べません。あらかじめ決められた会話が多いからです。


実際の会話では、相手がどんな反応をするか、それに対して自分がどんな返答をするか、正確に予測することはできません。にもかかわらず、私たちは無意識にやり取りを行っています。結構すごいことだと思いませんか?


そんなコミュニケーションを通じて、テーマについての理解を深めることができるのが「Yononaka」の時間です。これからもオンラインで開催していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。



参加者の感想の一部を以下に記します。

・今回は特に、各グループでの意見の違いが多く感じ、意外でした。

・他の人の気持ち良い音がおならの音って言う所が面白かったです。

・友達の友達とどうやって話すか聞かれたのが意外でした。

・おもしろかったことを聞かれて授業意外の事を書いていたのがそれでもいいんだなと印象に残った。

・友達の友達の話で、興味のない話があれば、「逃げる」と言っていたのが、意外だった。

・聞くと曲を聴くの違いが分からなかったけど、話を聞くうちにわかりました。

・〇〇さんのお話。1度目も2度目も、聴きたくて、手を止めてしまっていたから。

・聴く意識で頭に話が思ったより入るようになったのが初めて知りました。

・楽しかったです。


・・


授業レポートは以上になります。

この時間をもとに、次週職業人へのインタビューに挑んでもらえたらと思います。


今回の自分カイシャづくり体験は「トライアル」という形で、来年以降も継続的に活動していきたいと思っております。ですので都度都度、感想やコメントをいただけますとありがたいです。それをワークに反映していきたいと思っております。


次回は「プレゼンのキホン」です。サポーター様、保護者様のご参加もお待ちしております!聞くだけ参加でもOKです!


以上です。引き続きよろしくお願い致します。

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